香水って何?

「香水」とは

「香水」とは、個体や油状の香料をアルコールで溶かした溶液で、お肌や衣服につけて香りを楽しむ化粧品の一種とされています。

紀元前1800年ころの香水製造工場跡地がギリシャで発掘されました。現在のような香水の原型として、11世紀前後に確立されたと言われています。もともと宗教的・薬用としての使用が主でしたが、次第に「たしなみ」「楽しみ」としての香水が誕生しました。

日本における香水とは、西洋ほど一般的に使用されていません。これは、食生活や入浴頻度が関係していると言われ、日本人は匂いや味覚に敏感で無臭が好まれることがあり、西洋人に比べ日本人は体臭が少ないことも関係しているようです。結果として、香水そのものの認知とにおいに対するマナーの違いもあり香水文化が一般的でないと考えられています。

一方、日本の宗教の7割近くが仏教といわれ、古来より「お香」として香りを用いてきました。仏教では香を焚くと「不浄を払い、心識を清浄にする」とされ、仏前で香を焚き、花や灯明と一緒に供することを供養としています。また、東山文化のひとつである「香道」の存在も大きいとされます。四季のうつろいを愛でながら、作法に従い香木を焚き香りを聞き当てます。日本人にとって「香り」とは、一般的な香水よりお香をイメージされるのではないでしょうか。

「香水」の種類

一般的に日本で「香水」というと、香りがする液体全部を「香水」と呼んでいますが、原材料の濃度により呼び方が異なります。パルファン・オードパルファン・オードトワレ・オーデコロンなどに分類され、さらに小さく分類された呼び方もあります。

パルファンが香料の使用料が多いため、香りの持続時間(5~12時間)が長く高価になります。順にオードパルファン・オードトワレ・オーデコロン(持続時間1~3時間)と続きます。薬事法により容量による呼び方の基準はなく、各香水メーカーが独自に設定しております。

「香水」の付け方&マナー

香水の付け方にルールや作法などの決まりはありません。周囲の人が不快と感じなければ、常識の範囲でお好きな付け方をお楽しみください。

香水は、付ける人の体温や体質で香りが変化します。香り立ちの付けはじめはトップノートと呼ばれ、時間の経過と共にミドルノート、ボトムノートと変化していきます。トップノートが香る最初の15分程度は急激に香りが変化しますので、香りが落ち着くミドルノート(15分以降)を目安にご愛用ください。

香水を付ける場所は、暖かい血液が流れる表面がおすすめです。香水は、温度が高いほど揮発しますので、香りが立ちやすくなります。「耳のうしろ」「手首」が一般的ですが、「足(足首)」や「髪の毛」もオススメです。洋服に直接付けることもありますが、シミの原因になる場合もありますので、目立たない部分へ付けてください。

汗や皮脂を分泌しやすい場所はお控えください。香水成分と混ざり、思わぬ香りへ変化する場合がございます。また、首回りや鼻周辺に付けられますと、臭覚疲労をおこし自分の香りが分からなくなります。

お出かけの際、香りを着ると気持ちも軽くなりますが、お出かけ先にはご注意ください。ショッピング・祝賀会などは大丈夫ですが、レストラン・お寿司屋さんなどの飲食店においては、せっかくの美味しいお料理を楽しめないだけでなく、周囲の方々にも迷惑になります。逆に、バーやナイトクラブにおいては、「香り」がほどよいスパイスになります。また、冠婚葬祭におけるパーティー・披露宴などでは「香り」が引き立てますが、葬儀においては不謹慎なイメージを与える場合があります。TPOに合せて適量の香りを「着て」お楽しみください。

くれぐれも「付けすぎ」にはご注意ください。いつの間にか付けすぎている方が多くいらっしゃいます。周囲の方はなかなか言い出せないものです。たまには身近な方に聞かれてみるといいですね。